Take Me Out To The Ballgame -大リーグ狂の詩-
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シアトル・マリナーズ再建への道③

予想ラインナップからみるマリナーズ補強のポイント

左の大砲

マリナーズ補強の1つ目のポイントは,今シーズンのチーム長打率(ALワースト2:.389)を見てもわかるようにパワーバッターの獲得である.2011年の予想ラインナップを見ると,1B/3B/DHの層が薄いことから,ここに中軸を打てるパワーバッターを補強する必要がある.さらにセフィコ・フィールドは左中間に広く,右のパワーヒッターに不利に出来ていることから,左打ちである方が好ましい.ちなみにチーム長打率,最下位のアスレチックスは,今オフHollidayを獲得した.


攻撃的なショート

二つ目のポイントは守れるだけでなく,打てるショートの獲得である.今シーズンの日米のチャンピオン,フィラデルフィア・フィリーズと西武ライオンズを見ても,Jimmy Rollins,中島裕之といった攻撃的なショートを擁しており,その重要性は高い.Baseball America2009年ドラフト予想において,マリナーズのドラフト指名選手に攻撃的なショートであるGrant GreenUSC所属)を挙げている.GreenTroy Tulowitzkiと比較される逸材で,今シーズン,50試合に出場,.390/.438/.644を記録している.Greenが来シーズン,順調に成長し,Baseball Americaの予想通りにマリナーズに指名されれば,マリナーズにとって大きな補強となる.


高い出塁率

補強の三つ目のポイントは,出塁率の高い選手の獲得である.今シーズン,マリナーズのチーム出塁率はALワーストの.318で,早急な補強が必要である.チーム最高出塁率がIchiro.361で,城島,LopezBetancourtBeltreの出塁率が.330以下では,打線につがりはうまれない.打率はそれほど高くなくとも出塁率が.370を超えるような選手がチームには必要だろう.

シアトル・マリナーズ再建への道②続き

SP: Felix Hernandez(24) Brandon Morrow(26) Phillippe Aumont(22) Ryan Rowland-Smith(28)

Hernandez, Morrow, Aumontは非常に能力が高い.順調に成長すれば,3人ともストレートで押せるパワータイプのエースになれる可能性を持っており,非常に楽しみである.


RP: Joshua Fields(25)

Joshua Fieldsは,今シーズン,マリナーズが1順目全体20位で指名したジョージア大学のクローザーで,Morrowが先発に転向しできたブルペンの穴を埋める存在として期待されている.しかし来シーズンまでに契約に至るかは不透明である.

シアトル・マリナーズ再建への道②

 私は,シアトル・マリナーズ再建の鍵は,「タレント評価」であると考える.選手の能力を正確に把握し,トレード,ドラフトすれば,巨額なお金をFAにつぎ込まなくても勝てる.良い例としては,今シーズン,遂に躍進したタンパベイ・レイズやミネソタ・ツインズ,悪い例としては,ニューヨーク・ヤンキース,そして残念ながらシアトル・マリナーズがあげられるだろう.タレント評価の点から考えると,ZduriencikGM就任は正解である.今日は,マリナーズの現有戦力から2011年ロースターを予想し,補強のポイントを探ってみたい.


シアトル・マリナーズ 2011 予想ラインアップ

1 (数字)は2011年開幕時の年齢

2 Beltre, PutzBedardは他チームへ移籍と予想


C:Rob Johnson (27) 城島健司(35)

2011年,先発のマスクをかぶる可能性があるのは城島,Johnson, Clementの3人だが,城島の年齢と今シーズンの成績,Clementの守備を考えるとRob Johnsonになる可能性が高いのではないだろうか.


1B: Jeff Clement(27) Bryan Lahair(28)

パワーバッターで中軸を打つ選手が欲しいファースト/DHは完全に駒不足である.LaHairはマイナーではそこそこの成績を上げているが,潜在能力が高いのはJeff Clementだろう.今シーズン,メジャーでは調子が上がらなかったが,AAAでは.335/.455/.676と好成績をあげており,経験を積めばOPSの高い打者になる可能性がある.


2B: Jose Lopez(27) Luis Valbuena(25)

セカンドは.守備の面で少し心もとないが,Jose Lopezで決まりだと思われる.今シーズン,クリーンナップを打つこともあったLopezだが,選球眼が悪いので,今後中軸を打つには出塁率を良くする必要があるだろう.


3B: Carlos Triunfel(21) Matt Tuiasosopo(24)

Beltreが去った後,マリナーズのサードを守るのはCarlos Triunfelだろう.今シーズン,若干18歳でアリゾナ秋季リーグに参加し,活躍している(.298/.339/394).マイナーでは,ショートを守っているが,Betancourtがトレードされない限り,サードへの移動が濃厚だ.もしマイナーでもう少し時間がかかるようならば,今シーズン,9月にメジャーを経験したTuiasosopoがサードを任されるであろう.


SS: Yuniesky Betancourt(29)

2011年,ショートを守っている可能性が高いのは,キューバ出身のBetancourtだろう.持ち味の守備は堅実だが,打撃面は正直,物足りない.レギュラー定着後,3年たった今でもOPS(出塁率+長打率)が.700を行き来しており,成長がみられない.


OF: Ichiro(39) Waldmir Balentien(26) Michael Saunders(24) Jeremy Reed(30) Mike Morse(29)

外野は順当にいけば,ライトIchiro,センターSaunders,レフトBalentienだが守備面を考えると,Reedがセンターに入り,Saundersがレフト,BalentienDHに周る可能性もある.BalentienSaundersはシーズン20本塁打出来るパワーを持っており,成長すれば良い外野手になるだろうが,オールスターに選出されるようなエリートではないだろう.

シアトル・マリナーズ再建への道①

 2008年,シアトル・マリナーズは,シーズン開幕前の期待とは裏腹に,AL西地区の最下位に沈んだままシーズンを終えた.2007シーズンを4年ぶりの勝ち越しとなる88勝74敗で終えていたマリナーズは,オフシーズンにエース候補のErik Bedardと3番手候補のCarlos Silvaを獲得.ポストシーズン進出を狙いシーズン開幕を向えた.しかし終わってみれば,出塁率AL最下位(.318),長打率ALワースト2位(.389),防御率ALワースト4位(4.73)の成績が示すとおり,ダントツの最下位.力不足は否めず,2008年は負けるべくして負けたシーズンであった.


 今オフ,マリナーズのオーナーグループは遂にGM Bill Bavasiを解任.前任のGM Pat Gillick時代の平均98勝と比較すると,Bavasi時代の平均勝ち星は71勝,彼のFA契約,トレードを見ても解任は遅すぎた感がある.昨年末に解任しておけば,再建の核となりうるAdam JonesChris Tillmanの二人が残っていただけに,オーナーグループの対応の遅さが悔やまれる.


Bavasi時代の主な移籍とFA契約

トレードされた若手選手

 Adam Jones, Chris Tillman, Rafael Soriano,Asdrubal Cabrera,

 Shin-Soo Choo, Tony Butler

トレードで獲得された選手

 Erik Bedard,Horacio Ramirez,Eduardo Perez,Ben Broussard

FA契約された選手

 Adrian Beltre, Richie Sexson, ,Jarrod Washburn,Miguel Batista,城島健司

ドラフト(又は契約された)新人選手

 Yuniesky Betancourt, Brandon Morrow, Jeff Clement,

 Adam Jones, Chris Tillman, Carlos Triunfel


 Bavasi解任後,マリナーズの新GMにはJack Zduriencikが就任した.Bavasi時代に疲弊しきった球団を立て直すという意味では,ZduriencikのGM就任は正解であろう.Zduriencikは2000年からミルウォーキー・ブリュワーズのスカウト部門の総責任者を務め,数多くの優秀な若手選手(Prince Fielder,Ryan Braun,Matt LaPorta,Yovani Gallardo,J.J. Hardy, Corey Hart)をドラフトすることにより,12年連続負け越していたブリュワーズをプレイオフ進出まで導いた人物である.タレント評価のスペシャリストである彼がGMに就任したということは,マリナーズがBavasi時代と同じ轍は踏まず,長期的な視点にたったチームづくりに移行する兆候だと思われる.現にZduriencikは,今オフ,FA契約に大金を投じるつもりがないことを発表しており,Adrian BeltreJ.J.Putzが他球団のプロスペクトとトレードされるという噂もある.

アリゾナ秋季リーグ プロスペクト②

アリゾナ秋季リーグプロスペクト(投手)

今シーズンは,メジャー経験のあるClay Buchholz,Phil Hughes, Max Scherzer, Alex Hinshawなどが参加している.


Tommy Hanson (アトランタ・ブレーブス) RHP

マイナー成績:11-5 ERA 2.41 163三振 52死四球

アリゾナ成績:4-0 ERA 0.76 39三振 5四死球


90-95mphのストレート,チェンジアップ,カーブ,スライダーを駆使する右投げの先発投手.今シーズン,マイナーリーグの被安打率1位(.175).現在,アリゾナ秋季リーグの防御率1位.今オフ,ブレーブスがパドレスのJake Peaveyの獲得に乗り出した際,交換要員としてトレードすることを拒んだといわれている.ブレーブスの球団関係者は,メンタリティや球質などから彼をRoy Hollidayと比較している.来シーズン,AA,AAAで順調に活躍すれば,シーズン途中にブレーブス先発陣に加入するであろう.



Brian Matusz (ボルティモア・オリオールズ) LHP

マイナー成績:登板なし

アリゾナ成績:2-3 ERA 4.37 27三振 5死四球


2008年ドラフト1順目(全体4番目)でオリオールズに指名された.今ドラフトNo1の呼び声高い投手.カーブ,チェンジアップといった変化球の制球が良く,90mph前半のストレートを投げる.変化球主体.来年,AAでシーズンを開始し,数年でメジャーに昇格,Chris Tillmanと共にオリオールズの先発陣の中心となるであろう選手.








トミー・ハンソン
ブライアン・マトゥス

アリゾナ秋季リーグ プロスペクト①

アリゾナ秋季リーグプロスペクト(打者)

アリゾナ秋季リーグとは,マイナーリーグの若手選手育成を目的に,10月上旬から11月中旬に毎年開かれる秋季リーグである.基本的にはAAAとAAに所属する若手選手が参加し,約30試合を行う.過去には,Albert Pujols, Drek Jeter, David Wright, Roy Halladayなどオールスタークラスが参加しており,NBAのMichael JordanがMLB挑戦時にプレーしたこともある.


Matt Wieters (ボルティモア・オリオールズ) C

マイナー成績:.355/.455/.600 27HR 91RBI

アリゾナ成績:..281/.403/.422 1HR 10RBI


2007年,ドラフト1順目(全体5番目)でオリオールズに指名されたスイッチヒッター.近年,打てるが守備はそこそこのキャッチャーが増える中,バッティングが素晴らしいだけでなく,守備能力も高く,マイナーで盗塁阻止率約45%を記録するなど強肩を誇る.マイナー2年目の今年はAAでシーズンを終えた.オリオールズは完全に若手中心に切り替えをはかっていることから,2009年中にメジャー昇格すると思われる.





Logan Morrison (フロリダ・マーリンズ) 1B

マイナー成績:.332/.402/.494 13HR 74RBI

アリゾナ成績:.448/461/.747 5HR 28RBI


今シーズン,フロリダ・ステイト・リーグ(Hi-A)でMVPを獲得.現在,アリゾナ秋季リーグで打率1位の1塁手(21試合87打席時点).パワーがあるがボール球に手を出すことはなく,将来的には,Hanley Ramirez, Cameron Maybin,Mike Stantonらとマーリンズの中軸を担うであろう.21歳とまだ若いため,数年はメジャー昇格しないと思われる.



Gordon Beckham (シカゴ・ホワイトソックス) SS

マイナー成績:.310/.365/.500 3HR 8RBI (出場は14試合のみ)


アリゾナ成績:.403/.479/.677 3HR 13RBI

2008年,ジョージア大学を全米カレッジワールドシリーズに導いた立役者で,今シーズンのドラフト1順目(全体指名8番目)で指名され,ホワイトソックス入りした.今シーズン,NCAA最多タイとなる28本の本塁打を放つなど攻撃的なSSであるが,ホワイトソックスは今シーズン活躍したAlexei Ramirezを来季からショートで起用することから,セカンドに移る可能性もある.ホワイトソックスの二遊間は層が薄いので,早ければ2009年の9月にはメジャー昇格する可能性がある.





Brett Wallace
 
(セントルイス・カージナルス) 1B/3B

マイナー成績:.337/.427/.530 8HR 36RBI

アリゾナ成績:.308/.365/.577 5HR 21RBI


2年連続,Pac10の3冠王に輝いたWallaceは,2008年ドラフト1順目(全体13番目)指名で,カージナルスに入団した.どちらかというとパワーよりも打率を残すタイプの中距離バッター.大柄でそれほどスピードがないため本来は1塁手だが,カーディナルスには不動の1塁手Pujolsがいるためサードに移動した.今シーズン1年目でAAまで昇格したが,サードにもTroy Glausがいるため,彼の契約が切れる2010年昇格が濃厚である.






マット・ウィーターズ

ローガン・モリソン

ゴードン・ベッカム

ブレット・ウォレス

Holliday オークランドへ移籍

Matt Hollidayアスレチックスにトレード移籍


アスレチックスは,近年,高額な選手を獲得しないチーム作りをしており,育成した有望選手も年棒が高騰する直前に,次々と他球団へトレードしてきたことからTim Hudson, Dan Haren,Rich Hardenなど),Holliday獲得は驚きである.今のアスレチックスの陣容では,Hollidayを獲得しても,来シーズンのポストシーズン進出は難しいと思う.Hollidayは2009年シーズン後,FAとなるが,アスレチックスが彼と長期的な契約をする可能性は低いことから,来シーズンの途中,今シーズンのCC Sabathiaのようにトレードされるのではないかと,一部では推測されている.


Hollidayは,2007年NLのMVP投票2位になるなど,走攻守そろったメジャー屈指の外野手である.今シーズンは,怪我で約20試合欠場したものの,Ave.321 25HR 88RBIを挙げ,キャリアハイとなる28盗塁も記録している.しかし打者有利といわれるコロラドを去り,投手有利のオークランドへ移籍することから,来シーズンは打率,本塁打数とも低下すると予想される.さらにアスレチックスは,盗塁をしないチームであることから盗塁数も激減すると思われる.


このトレードで,ロッキーズが獲得した選手は,Huston StreetGreg SmithCarlos Gonzarezの3人である.ロッキーズは総年棒を抑制しようとしており,このトレードは約$8.5millionの節約になると報道されている.ロッキーズはTroy Tulowitzki, Brad Hawpe, Ian Stewartといった若手選手を中心にチーム作りを進めようとしていることから,レギュラー選手のGarrett AtkinsWilly Taveras今オフにトレードされるのではという報道がされている.


Huston Streetは新人だった2005年から4年続けて,アスレチックスのクローザーを務めてきたが,今シーズン,怪我や不調で,その座をBrad Zieglerに明け渡した.ロッキーズは今シーズンのクローザーBrian FuentezがFAでチームを去ることから,彼の後釜を探しているが,2007年にクローザーを務めたManuel Corpasがまだチームにいるため,Streetはすぐにトレードされる可能性がある.


C.GonzarezG.Smithは,今シーズン当初,アリゾナ・ダイヤモンドバックスからDan Harenのトレードでアスレチックスに移籍してきた選手である.Smithは,今季,アスレチックスの先発として防御率4.16とまずまずの成績を上げているが,基本的にはフライボールピッチャーであることから,コロラドでの活躍は難しいだろう.Gonzarezは,Baseball Americaの2008年TOP100プロスペクト(マイナー若手有望選手)で22位にランクしているプロスペクト(有望選手)で,まだまだ荒削りではあるが数年後,ロッキーズの中軸を打つ可能性を秘めている.



マット・ホリデー

ヒューストン・ストリート

グレッグ・スミス

カルロス・ゴンザレス